「スローフード・トスカーナ 代替エネルギーの試み」レポート SFJ副会長石田氏から

トップページ世界のSlowなニュース > 「スローフード・トスカーナ 代替エネルギーの試み」レポート SFJ副会長石田氏から

SFJ副会長石田氏による「スローフード・トスカーナ 代替エネルギーの試み」レポートをお伝えします。

イタリアのトスカーナ州は、地熱を利用した産業が盛んなところとしても知られており、総電力量の4分の1が地熱発電でまかなわれている。特に地獄谷と呼ばれているラルデレロ、モンテロトンド一帯は、イタリア電力会社ENELのプラントによって地熱発電を行っている。この地域の資源開発は、町に名を残したラルデレル家によって、19世紀よりホウ酸を得るために行われ、20世紀の初めにはすでに地熱発電の試みが行われている。

スローフード・トスカーナは再生可能エネルギーを支持し、モンテロトンド市と共同で、地熱を利用した温室を実現するためのプロジェクトを後押しした。この地域は冬には零下10°になる寒冷地で、地域経済のために冬場の産業を創出することを必要としていた。安価に暖房できる施設のおかげで、バジリコ、シクラメン、ポインセチアなどを、年間を通して出荷することを可能にした。2haの全農地のうち5000㎡の敷地を使って栽培されるジェノヴァ種のバジルは人気商品となり、日に150キロが、トスカーナ、ウンブリア州を中心に出荷されている。

発熱プラントからやってくる95°の蒸気は、75°に冷やされて施設を巡り暖房する。
もちろん施設内に供給される電気も地熱からもたらされたもの。当初通常の電気を使った施設に較べて三分の一のコストで運営できるとされていたが、実際にはさらによい結果を出し、五分の一のコストで運営することに成功している。ここで使われる電気は電力会社ENELに由来しているが、電気料金の消費税分のみを支払うという優遇措置がある。

地熱発電所から200mのところには地熱を利用したチーズ製造工場があり、近隣40件より牛乳を集めて伝統のチーズを作っている。1日に8tの乳を処理し、製品にはクリーンエネルギーによるチーズを表すラベルが付けられることで差異化をはかっている。

メモ
ショッピングで有名なフィレンツェのトルナブオーニ通りにある、アンティノーリの建物がラウデレル家の建物。
トスカーナの地熱資源の副産物としてベビーパウダーが発明され、初めて販売されたのは、かつて存在した隣の薬局。

参考サイト(イタリア語)
www.parvusflos.it

世界のSlowなニュース記事一覧に戻る

関連する記事一覧記事

人気の記事