(I)「いのちのにぎわいのある社会の実現を目指して」  ―雲仙からのメッセージ―

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テッラ・マードレ・ジャパンin Unzenにて作成されたメッセージです。

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いのちのにぎわいのある社会の実現を目指して

  ―雲仙からのメッセージ―

 

東日本大震災および原発事故は、東北地方を中心に未曾有の被害をもたらした。復興への道のりは険しいが、粘り強く取り組みを進めていく必要がある。また、復興支援については、継続的かつ長期的に行っていく必要がある。

東日本大震災および原発事故は、同時に、私たちの暮らしのあり方を根本的に見直すことを迫っている。

まず、もっと自然と折り合った暮らし方に転換を図る必要がある。自然との共生ということがしばしば言われるが、東日本大震災を待つまでもなく、共生する対象としては、自然の脅威はあまりに大きすぎる。自然は、恵みを与えてくれると同時に畏敬の念を持って接する存在として捉え直す必要がある。そうした中で、畏敬の念を持って接する対象である自然からの恵みを受け取るための暮らしのあり方を再構築していく必要がある。

また、わが国は、恵まれた風土的多様性を基礎として、生物多様性豊かな農林漁業と地域の個性豊かな食を育んできた。そこには、手間ひまと愛情を持って農林漁業や食に携わってきた小さなつくり手の存在がある。しかし、今日の社会においては、生産性や経済性が優先されるあまり、小さな作り手を苦しい状況に追いやり、いのちの基盤をなす農林漁業や食の世界までも金銭的価値観でのみ結びつく世界に変わってしまっている。しかし、その結びつきはもろく、温かみがない。小さなつくり手の重要性を再認識しつつ、もっと人と人や人と自然とが有機的に結びつく世界に転換していく必要がある。

そのためには、先人の培ってきた経験や知識、技術、生活文化などを再評価して掘り起こしていく必要がある。特に、小さなつくり手による自家採種を含む農林漁業のあり方や農林漁家の女性を中心に培われてきた手わざの加工・料理のあり方について、さらには災害対応を含む自然と折り合った暮らしのあり方について、もっと謙虚に学ぶべきである。また、農山漁村の生活者のみならず、都市生活者において、暮らしにおける自給や人と人とのつながりをもとにした助け合いの仕組みを再構築していく必要がある。

このたび、わが国の典型ともいえる風土的多様性をベースとして生物や味の多様性を育んできた雲仙の地に、東日本大震災および原発事故の被災者を含むスローフードのメンバーと関係者が全国から集い、議論を交わした。

そうした中で、私たちは、以上に示した方向性に基づき、風土的多様性を生かした生物多様性豊かな農林漁業と食、自然と折り合った暮らしを再構築し、いのちのにぎわう社会の実現を目指して、具体的な歩みを進めていくことを確認した。私たちは、できるだけ多くの人たちとともに歩みを進めていくため、ここに呼びかけを行うものである。

最後に、東日本大震災および原発事故により亡くなられた方々に改めて哀悼の意を表すると同時に、日本の各地、さらには世界の各地からいだたいた温かいご支援に対して感謝の意を表し、メッセージとしたい。

 

 

2011年12月3日

テッラマードレジャパン・イン・雲仙の参加者を代表して

大会実行委員長・岩崎政利

雲仙市長・奥村慎太郎

スローフード岩手・辺見むつ子

スローフード気仙沼・菅原昭彦

スローフード福島・須藤陽子

スローフードジャパン会長・後藤 毅

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