食科学大学リポート2012 vol.2 「研修旅行について」

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更新日:2012:02:22

食科学大学リポート2012 vol.2 「研修旅行について」

執筆者 sfj_staff2

Piemonte pollenzo食科学大学より

 

食科学大学の実地研修について

食科学大学のハイライトは、年6回の研修旅行。コースによって、訪問先は毎回異なります。私のクラスは、エミリアロマーニャ州、カンパーニャ州、スイス、ギリシャ、ピエモンテ州、トスカーナ州にそれぞれ一週間単位で滞在します。主な目的は、その土地の食品生産者と直に会い、単にグルメという側面からではなく、彼らの故郷の地理的、歴史的背景からの必然性を学びながら「味わう」というのが食科学大学の研修の特徴です。ポッレンツォキャンパスの座学で事前に得た知識が、経験という地肉となる素晴らしい機会です。

 

カンパーニャ研修報告

1月末から一週間、ナポリを州都とする南イタリアはカンパーニャ州への研修を終えました。以下、ある一日のスケジュールです。

 

《午前》カンパーニャの小さな村 Agerola訪問

Agerola村長、カンパーニャのスローフード協会リーダー面会

>Fior di latte(牛乳から作ったモッツァレラチーズ)工房訪問

>サラミ、ハム工房訪問

>昼食(Agerolaの特産物)

《午後》>リキュール工房訪問 (リモンチェッロ、他地元ハーブリキュール等)

>パン工房訪問(固いタラッロというパン等)

>宿泊先のホテルに戻り夕食

 

ご覧の通り、生産者訪問がスケジュールの大半を占めており、そのほとんどが細々とした小規模生産者です。日本の観光ガイドにも載っていないような小さな村に、粛々と誇りを持って仕事を続ける生産者の守るべき味がイタリアにはたくさんあります。スローフード協会の認定する保護食品の「プレシディア」には、ラテン語で「守る」という意味があります。生産者を訪問する実地研修は、そのような食品が、誰のために、どのような目的で守られるべきなのか、ということを意識するための思考トレーニングでもあると感じております。尚、生産者への質疑応答などはイタリア語、英語の通訳がつきます。しかしながら、生産者の発言の機微を感じるためにも、ある程度のイタリア語の理解力があったほうが良いことは言うまでもありません。

 

 

クラスメートとの時間

研修中、クラスメートとはホテルの部屋も相部屋、食事も移動も常に一緒です。孤食、個室、携帯、イヤフォンに慣れた日本人の会社員生活から考えると確かにストレスは多いかもしれません。しかし、国際色豊かなクラスメートとの雑談の中で、ハッとさせられるようなことも少なくありません。研修中のある夕食後、いつものように雑談をしていました。お題は「コース最後のインターン先をどこにするか」について。美術館での広報というキャリアを持ったアメリカ人の女生徒が「バローロのワイナリーとか、農家で働くのがクールだと思う」と言うと、すかさずコスタリカのチョコレート工場から来た女生徒がこう応えました。「農家で働くことを美化している人が多すぎる。休みも無いし、すごくハード。どこにも行けない。でも働いただけ、報酬があるから仕事を続けていた」。様々な想いを持った学生達が、スローフードの現実をどう捉え直していくことができるのか。それもまた、研修の大きな成果の一つと言えるでしょう。

 

 

寄稿者プロフィール

三好曜子(みよしようこ)

2011年11月より食科学大学

大学院にて、food culture and communicationの修士号を取得中

イタリア ピエモンテ州ブラ在住

●大学院への出願方法など、詳しい最新情報はこちらから。

http://www.unisg.it/

●大学院生活に関する日々のつぶやきはこちらから。

https://twitter.com/#!/YokoMiyoshi

 

パスタ発祥の地、グラニャーノのパスタ工房 GENTILE社にて。フジッリパスタ作りに関わる女性職人。

 

モッツァレラチーズ発祥の地、カゼルタのモッツアレラ工房に隣接する水牛舎。

 

ナポリの老舗カフェGambrinusの菓子工房にて、伝統菓子の製作現場。

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