チッタ・スロー理事長ピエルジョルジョ・オリヴェーティとの会見 SFJ副会長石田氏より

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スローフードジャパン石田副会長によるチッタ・スロー理事長ピエルジョルジョ・オリヴェーティとの会見のリポートです。

2012年2月8日
古代エトルスキ起源の丘陵都市である、中央イタリアのオルヴィエートは、歴史的大寒波の中、特に寒い場所の1つであろうか。
迷路のような中世の町を通り抜けて違法駐車を警察に注意されながら、チッタ・スローのオフィスのある旧サン・ジョヴァンニ修道院にたどり着く。
美しい中世の回廊を残した建物には3つの施設が入っている。
1つはパラッツォ・デル・グスト調理学校、2つめはウンブリア州エノテカ、そしてチッタ・スローの本部事務局である。

チッタ・スローの理事長オリヴェーティは、この調理学校の講師もつとめており、訪問時にはちょうどアメリカの学生を案内しているところだった。
ウンブリア州立エノテカには、この地域の11のDOCと4つのDOCGをはじめとするワインのラベル/ボトル展示と、最新のテクノロジーを使った試飲マシーンで、ワインを劣化させることなくテイスティングをさせるという施設がある(訪問時は故障中)。
このエノテカはトゥーフォという凝灰岩をくりぬいて作られたもの。
オルヴィエートの町はこの岩でできた、テーブルのような大地に作られている。
エノテカはまさに洞穴のような施設である。

さて、この男のタイトルであるチッタ・スローの理事長とは何ぞや?
実際チッタ・スロー協会の会長は、エミリア・ロマーニャ州のカステルノーヴォ・ネ・モンティ市の市長、ジャンルーカ・マルコーニ氏である。
チッタ・スローの組織は次のようになっている。
国際レベルでは、認証をうけた町による国内ネットワークが存在する国(認証都市3つ以上)から1人ずつ選ばれて構成される22人の国際委員会があり、国際理事会は会長と理事長と9人の副会長で11人構成(一人は最近マフィアがらみで殺害されたアンジェロ・ヴァッサーロだった)。
国内レベルでは認証都市の市長たちによる国内委員会がある。
さらにはチッタ・スロー・インターナショナルの学術委員会に加えて、理事事務局(ヘッドクオーター)がある。実際の運営をしているのはオリヴィエートにあるこの理事事務局であり、オリヴェーティはこの事務局の理事長ということになる。事務局は都市の認定作業、あらゆるミーティングのオーガナイズ、プロモーションなど、日常のほぼすべての作業をする機関であり、チッタ・スロー協会の本体である。

現在チッタ・スロー認定都市は、世界25カ国に152存在している。
発祥の地イタリアでは69都市。
認定都市のアッビアテグラッソ市はミラノ近郊にあって都市化を免れた町として有名。
緑に囲まれた美しい景観を守ることに成功している。
近年韓国で非常に盛んになり、国際会議も開かれ、ナミアンジュを始めとして現在12都市が認定されている。
年に一回フォーラムを開催することになっている。
今年は5月。
その他にはフランス、ドイツ、ポーランド、デンマーク、フィンランド、ノルウエー、スエーデン、スペイン、ポルトガル、アイルランド、スイス、南アフリカ、オーストラリア、トルコ、ブラジル、アメリカ、中国となっている。
トルコとブラジルでは検索タームとして「チッタ・スロー」が2位になるという快挙。
アルゼンチンではカタツムリを緑にしただけの偽物が出現。

フランスには既存の3都市に加えて、ブランクフォールが認証される予定。ここは町の緑化政策や、都市計画自体に入り込んで技術的指導をするという具体的なプランになっている。チッタ・スローのブレインには自然建築を提唱する建築家ヘルムート・ボットがいる。

(写真: ブランクフォールの都市計画を説明するオリヴェート氏)

オリヴェーティは、つい話がはずんで、婚約指輪を落としてしまったのに気づかなかった。
30年はめていたものがどうして今落ちたのか??大変だ。
奥さんに怒られる!指輪をさすりながら話をする癖のある彼は、途方に暮れていた。

すっかり遅くなってしまって、一緒に食事でもというのを丁重に断って、せめてバールでいっぱいやろうじゃないかということになった。
オルヴィエートで100年もの歴史をもつ「カフェ・モンタヌッチ」は自家製チョコレートと、オルヴィエート特産のルマーカと呼ばれる小さなサラミ入りのパンで有名。
まずは白ワインで乾杯。
チッタ・スローは紆余曲折の末、歴代の理事グループも刷新して、新しいメンバーで再出発しているという。
良いブレインも迎えてフレッシュな顔ぶれである。
スローフードをベースとした、真摯で理想的な運営をしている。

本来厳格な審査が行われるチッタ・スローだが、震災支援のためのアクションとして日本の被災都市を認証することで、住民を勇気づけ、復興の方向性を打ち出すのに貢献するというアイディアは、チッタ・スローの国際理事会で満場一致で賛成されたという。
被災都市については特別措置として、まず5年間ほどの会費免除などを考えているとのこと。
スローフード協会の兄弟分のようなこのプロジェクトへは、すでに日本のいくつかの行政よりクエストがあり、日本のスローフードの環境のもと、スローに健全にすすめて行きたい。

 

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