映画”セヴァンの地球のなおし方”上映会&トーク

開催コンヴィヴィウム(支部)
SFフレンズ北海道
開催日時
12/02/15(水)2012.02.05(日)
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「映画”セヴァンの地球のなおし方”上映会&トーク」

主催:「セヴァンの地球のなおし方」上映実行委員会(スローフード・フレンズ
北海道、子どもの未来と食を守るネットワーク、十勝毎日新聞社)

※画像をクリックするとPDFファイルが開きます

例年なら希望に満ちた新年を迎えるところですが、2011年3月11日に起きた大
震災、その後の原発事故と、現在も尚収束に至っているとは思えない現状があり
ます。この厳しい現実の中で、やるべきことを見つけるとしたら、これまでの
10ヶ月をしっかり受け止め、これからに生かすことを学ぶことからはじめたいと
思うのです。そして世代を超えて語り合うことで、未来につなぐ『希望』が見え
てくるかもしれない、と考えました。そのひとつの方法として、今回は映画「セ
ヴァンの地球のなおし方」の上映とトークを、札幌と十勝帯広、2ヶ所で開催し
たいと思います。(スローフード・フレンズ北海道代表 湯浅 優子)

映画「セヴァンの地球のなおし方」(『末来の食卓』のジャン・ポール・ジョー監督)
映画は、1992年世界環境サミット、当時12歳だったセヴァン・スズキの演説から
始まります。母となった彼女の現在の活動と、子どもたちの末来を救うために
「食」を守り続ける人々を追ったドキュメンタリーです。

映画公式HP http://www.uplink.co.jp/severn/
辻信一さん公式HP http://www.sloth.gr.jp/tsuji/

●トーク&上映会in札幌 ~「セヴァンの地球のなおし方」&若者たちと語る。
日時   2012年2月5日(日) 13:00〜17:00
場所   北海道大学学術交流会館 大講堂
参加費  1000円(学生500円)
内容   ①上映会 ②報告&ディスカッション(パネラー:北大、酪農学園、天
使大学の学生ほか)

●トーク&上映会in十勝 ~「セヴァンの地球のなおし方」&辻信一さんを囲んで。
日時   2012年2月15日(水) 13:30〜17:00
場所   とかちプラザ視聴覚室
参加費  1000円(学生500円)
内容   ①上映会 ②トーク(辻信一さんをゲストに迎え、会場と共にトークセッション)

===以下、辻信一さんからのメッセージ

解説

この映画の原題は、”SEVERN, THE VOICE OF OUR CHILDREN”。セヴァンとは、こ
の映画の“主人公”である日系4世のカナダ人で、環境運動家として国際的に知ら
れるセヴァン・スズキのことだ。彼女は12歳のとき、リオ・デ・ジャネイロで
行われた国連の地球サミットでのスピーチで、居並ぶ各国のリーダーたちに感動
を与え、一躍有名になった。映画の日本語版のタイトルである「地球のなおし
方」は、このスピーチの中に出てくる、次の一節からとられている。

「どうやって直すのかわからないものを、こわしつづけるのはもうやめてください」

セヴァンは1979年カナダ、バンクーバー生まれ。母親はイギリス出身の文
学者タラ・カリス、父親は日系3世のカナダ人で、生物学者のデヴィッド・スズ
キ。幼いときに両親と訪れたアマゾンへの旅をきっかけに環境問題に関心を抱い
た彼女は、9歳のときに妹のサリカや友人たちとともに、ECO(Environmental
Children’s  Organization)という子ども環境グループを立ち上げる。

1992年、ブラジルのリオ・デ・ジャネイロで「自分たち子どもの将来を大
人たちが決める会議」が開かれると聞き、「子どもこそがその会議に参加すべきだ!」
と考えたECOは、自分たちで費用を捻出して、「地球環境サミット」へ赴く。
NGOブースでのねばり強いアピール活動が実を結び、サミット最終日、セヴァンは
「子ども代表」として全体会議で発言するチャンスを与えられた。
各国の代表団の心をつかんだ6分間のスピーチは、その後世界中で紹介され、一世を
風靡することになる。

「地球環境サミット」以降、セヴァンは世界中の学校や企業に招かれ、国際
会議やシンポジウムで講演した。1993年には「グローバル500賞」を受賞、
1997から2001年にかけて「国連地球憲章」を作る作業に青年代表として携わるな
ど、環境活動家として国際的に活躍してきた。リオ・サミットから10年目の2002年には、
ヨハネスブルグ・サミットにて若者向け環境キャンペーン
「RoR(Recognition of Responsibility)」を展開、秋には日本のNGOの招
きで初の全国ツアーを行った。以来、2003年、2007年とナマケモノ倶楽部とと
もに環境キャンペーンを行う。また、『あなたが世界を変える日~12歳の少女
が環境サミットで語った伝説のスピーチ』(2003年、学陽書房)、『わたしと
地球の約束~セヴァンのわくわくエコライフ』(2005年、大月書店)、
『セヴァン・スズキの私にできること~森のつくりかた、守りかた』(2007年、
ゆっくり堂)など日本語の書籍も出版され、日本市民から世代を超えて共感を集める。
2008年には日本での環境キャンペーン「アース・キャラバン」の
リーダーを。。。。。その一方で、セヴァンは米国のイエール大学
で生物学を専攻、2002年に卒業した。カナダのヴィクトリア大学で植物人類
学を専攻し、2007年に修士号を得た。修士論文はカナダ先住民族の伝統的な
海洋資源管理について。2008年に先住民族であるハイダ族のジャドソン・ブ
ラウンと結婚、ハイダ文化の保全と復興のために活動を開始した。2009年に
第一子を出産し母親となった。

映画「地球のなおし方」は、あの12歳の少女セヴァンのスピーチに心を揺さ
ぶられた人々がつくりだした映画であり、また彼女の問いかけに触発され、それ
に答えて、自ら、「地球をなおそう」とする人々の姿を描くドキュメンタリーだ。

「私の話にはウラもオモテもありません」。18年前のあの日、世界のリーダー
たちを前に12歳のセヴァンはこう話し始めたのだった。彼女の言葉が人々の心
をつかむ特別な力を秘めていたのはたぶん、それが「ウラもオモテもない」もの
だったからだろう。一方、世の中には裏表のある言葉ばかりが溢れている。独り
占めにしないで分け合うこと、散らかしたものを片づけること、嘘をつかないこ
と、生きものを大切にすること、暴力ではなく話し合いで解決すること・・・。
セヴァンの言ったとおり、大人たちはこうしたことを学校や家庭で子どもたちに
言ってきかせるのだが、大人の世界でそれが守られることは多くない。むしろ、
大人になるということは、ウラとオモテのあることばをうまく使えるようになる
ことだと考えられている。

切りすぎで森が少なくなり、乱獲で魚が少なくなり、空気や土や水が汚れ、地球温暖化や
気候変動が進み、北や南や高地の氷や凍土が解け、海面が上昇し、動植物が次々に絶滅し、
洪水や土砂崩れや日でりや水不足が深刻になって争いが増え、貧しい人々はもっと貧しくなり、
食料不足で飢える人が増える。
それもこれもみんな、経済のためには、豊かさのためには、便利さのためには、雇用のため
には、生活のためには、仕方のないことだったし、これからも仕方がない、と大
人たちは言う。
まるで、大人であるということは、そんなあきらめをもつようになること、そしてもうそれ以上、
深く考えないようにすることだと、言わんばかりに。

セヴァンのスピーチは、そんな大人たちに対する子どもからの鋭い問いかけで
あり、呼びかけであった。言いかえればそれは、未来の大人たちから現在の大人
たちへの痛烈なメッセージだった。

あれから18年、そのセヴァンは30歳の大人となり、子どもをもつ親となった。
映画の冒頭で大きなお腹を抱えた彼女は、映画の最後には赤ん坊を胸に抱いて登
場する。それは赤ん坊という“未来”と対話している彼女の姿でもある。かつて自
分が発した言葉が、こだまのように、自分自身に戻ってくる。

未来との対話、それがこの映画のテーマだと言ってもいい。それはぼくたち
に、親であることの意味を問いかけている。いや、親であるか否かに関わらず、
ひとりの人間として自分の世代に続く未来の世代、そしてこれからまだ生を享け
ることになる無数のいのちに向き合うことが、問われているのだ。

ジャン=ポール・ジョー監督は前作「未来の食卓」で、農業における農薬被害
の恐ろしさを訴え、フランスのある農村の人々がいかにして学校給食を、地元産
の有機(ビオ)食品に変えていったかを描いた。その原題を直訳すれば、「子ども
たちは私たちを告発するだろう」。

それに続く本作もまた、人間の生存を支えるはずの農業が、逆に人間の生存を
脅かすようになった現状を告発している。

セヴァンの父親で科学者のデヴィッド・スズキによれば、生物としての人間の
生存は、空気、水、土、太陽エネルギー、生物多様性の5つの基本要素によって
支えられている
私たちの食物のほとんどは生きものであり、それらひとつひとつがやはり同じ5
つの要素によって生きている。

食物を安定的に得る知恵であったはずの農業がしかし、生命の基盤であるはず
のこれら5つの要素を汚染したり、劣化させたり、破壊したりする。世界中の耕
作地のほとんどに農薬が撒かれている。その農薬はどこに行くのか。生態系を汚
染、食品を汚染し、さらに生物の多様性を損なう。そしてもちろん、汚染された
水や空気や食べものを、ぼくたちは結局、自分の中に取り込むことになる。

単作化、大規模化、工業化、機械化、グローバル化の一途をたどって来たこれ
までの農業は、石油をはじめとする安価な化石燃料を大量に燃やすことによって
成り立ってきた、いや、成り立っているかに見えた。その結果、先進国では、食
物から一定量のエネルギーを得るのに、その10倍のエネルギーを投入するとい
う異常事態が、まるで当然のことのように受け入れられてきたのだ。しかしそん
な時代も、地球温暖化や石油枯渇という深刻な危機を前に、終焉を迎えようとし
ている

そして、脱石油農業の時代が始まろうとしている。この映画は、その先頭に
立って、日本やフランスで無農薬・無化学肥料の有機農業に取り組む人々の姿を
描いている。セヴァンは、東洋と西洋を結ぶこの新しい胎動のシンボルなのだ。

また本作品は、遺伝子組み換え種子による生態系汚染や、原子力発電とその放
射性廃棄物の危険性についても言及している。そこにはひとつの問いが貫いてい
る。いったい、我々は経済成長やGDPの名のもとに、未来の世代から何を奪い、
どんな負の遺産を残していこうとしているのか、という問いである。親として、
親になるものとして、ぼくたちはその問いに向き合わねばならない。

師であり友人であるデヴィッドを通して、ぼくが初めてセヴァンと会ったの
は、あのリオのスピーチの直後の1992年夏のこと。以来、この若き友人は常
にぼくのインスピレーションの源だった。バンクーバーでの彼女の結婚式には出
席したぼくだが、母親となったセヴァンにはまだ会っていなかった。この映画を
見るまでは。

 

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